うまげな話

オーディオと魚料理、さぬきうどんが好きな天邪鬼オヤジの日々

小結寿し

明石のハーモニカ横丁にある小さなお寿司屋さん「小結寿し」。
4〜5年ぶりに訪問しました。建物はお世辞にも立派とは言えませんが、実力店です。
カウンターのみのお店で、広くはありませんが、ご夫婦で目が行き届く
店内で、居心地はいいです。

この日頂いたものは


この時期は鯛の脂が落ちてくる頃ですが、この鯛は違います。腹身のいいところを切っていただきました。脂が乗って、甘みもあり、旨いです。ショーケースを見るとさほど大きな鯛ではないのですが、大将の魚を見る目の確かさを感じました。

甘カレイ
めっきり品薄、高額になってしまった甘カレイ。もう、魚屋の店売りでいい型のものを見ることがなくなりました。今期初めて食べる機会を得て、興奮のあまり写真を撮るのを忘れてしまいました。本日の白眉だったのに・・・無念!食い意地の張りすぎですね。
よく活かった身で、しみじみ旨いなあ。さすが明石の甘カレイと感心しました。

ハリイカ

きちんと包丁が入れられています。コリコリした食感と身の甘み。これぞ、明石のイカです。
由良ウニ

塩とレモンで頂きます。こちらはいい「由良ウニ」を仕入れられています。滑らかな口どけが出色です。ウニは海苔なしで食べる方が好きなんですが、こちらの海苔ならいいです。海苔も旨い。
穴子

明石の鮨屋の標準的出来ばえです。
シマアジ

普段あまり食べないのですが、注文してみました。腹身のいいところを握っていただきました。爽やかな脂の乗りで、嫌な臭いが一切しません。素直に旨いです。シマアジを見直しました。
タコ

こちらのタコは少し塩味が強めですが、いい香りがします。いいタコを丁寧に茹でられたことがよくわかります。
子持ち昆布

そのままでいただきます。この子持ちもお店に届いてから一仕事されている気がします。間違いでしたらごめんなさい。
ハリイカ下足

さっとゆがいたゲソです。ほとんどレア状態です。レモンをかけていただきます。甘みが引き立ちます。歯応えもいいです。
トロ細巻

明石の寿司屋としてはいいトロを使っておられます。それにしても、海苔とシャリの旨さが
出色です。トロの量とのバランスも素晴らしく、ホントに感心しました。
新香細巻

トロ細巻に感心して、さらに細巻を頼みましたが、これまた素晴らしい出来ばえ。新香は、出来合いのものをそのまま使用せず、お店で一仕事されているようで、甘み、酸味の塩梅が僕の好みにドンピシャです。焼穴が少し入っていて、これが香ばしいアクセントになっています。
海苔とシャリの旨さがさらに引き立っています。明石の他の店のようにシソやゴマが入っていませんが、シャリ、新香、海苔に自信があるのでしょうね。お薦めです。
さて、こちらのお店は夜のみの営業で、ご夫婦で切り盛りされています。
タネの種類は決して多い方ではありませんし、アテも多い方ではありません。
シャリは明石の鮨屋に多い柔らかめのシャリではなく、明石では少し固めですが、
これが握り、細巻とホントによく合います。海苔も風味がよく、しっかりした食感です。
ガリも少し甘めで、これまた僕の好みです。
明石の鮨屋さんの中には魚の旨さのおかげで、それ以外の部分が??と思えるお店も
ありますが、こちらはシャリ、海苔、ガリといった鮨の基本になる部分でしっかり仕事をされています。
その上で、種類は多くなくても、ホントにその日の自信をもってお薦めできる魚を
複数のお店から仕入れられています。このあたりのこだわりは地味ながら、実に共感できるところです。
そして、大将の話から「お客さんには毎日ベストな寿司を提供したい」という矜持を感じました。派手さはないですが、お客さんに対して誠実、実直な姿勢で寿司を提供されている姿勢に実直で、派手さのない職人気質を感じました。貴重なお店と思います。
またお邪魔させていただきます。
アルコールなしで4900円でした。C/P抜群です。