明石で指折りの有名な鮨店「丹甫」。
こちらのお店にはちょっとした思い出があります。
２０年くらい前？に、先代がつけ台に立っておられたころ、初めてこちらにお邪魔しました。
先代から「何が食べたい？」と聞かれて、こともあろうに「石鯛が食べたい」と返答してしまい、「そんなもん明石では握らないよ！」と怒られて、怖い思いをしました。
次に訪問した時に、「昼網のサワラが食べたい」と言った時に、先代はニコッと笑われて、
「いいのがあるよ」とハラミのいいところを刺身で出してくれました。
この時に食べたサワラを超えるものに未だ出会えていません。僕の脳裏に深くきざまれた
味と食感です。ズバッとモノを言われますが、気風のいい先代でした。
さて、思い出話はこのへんにしておきます。
今回、一人で晩御飯を食べることになり、訪問しました。
告白するわけではないですが、僕はアルコールがダメです。
従って、一人で鮨屋に行く時はひたすら鮨のみを食べます。
魚とシャリの組み合わせが好きなんです。
おまかせで握ってもらいました。
明石鯛
よく活かってますね。程よい脂の乗り、と甘みがあります。
平目
まさに明石の活かった白身ですね。歯応えもよく、素直に旨いです。
中トロが出ましたが、写真を撮り忘れました。明石の標準的レベルです。
ハリイカ
いい食感です。
赤貝
肉厚で見事な赤貝です。いい素材を仕入れられているのがわかります。
由良ウニ
これぞ「由良ウニ」と言える舌触りと甘みですね。
タコ
蒸穴子
明石の定番ですね。
タイラギ炙り
炙ることにより、甘みが増しています。繊維質も気になりません
焼穴子
穴子１本を巻いて握るこちらの焼穴子は最高です。適度な歯応えと脂の乗りのバランスがよく、決してパサつきません。
鰯
〆加減が絶妙で、鰯の旨さ、甘みが引き立ちます。
この日は天候もあまりよくなく、時期的に明石ではあまりいい魚が揃いにくい時期ですので、
ネタのバリエーションには当然限界があります。しかしながら、白身、穴子はホントに
いい素材を仕入れられているのがよくわかります。
シャリはもう少し固めのほうが僕の好みです。酢の利かせ方は僕の好みです。
先代がなくなって、だいぶ経ちます。息子さんは長年訪問していなかった小生の
顔を覚えてくれていて、恐縮しました。短い時間でしたが、思い出に浸りながら、
美味しい鮨を頂いて、楽しませていただきました。１１貫で４９００円でした。
良心的価格でＣ／Ｐは高いと思います。
