うまげな話

オーディオと魚料理、さぬきうどんが好きな天邪鬼オヤジの日々

食べ物に対する敬意

最近、果物や野菜、とりわけ高額のものを盗むという輩が増えてきていますね。

以前の日本ではあまり耳にしなかった卑劣な事件です。

 

思いおこせば、我々が子供の頃は、食べ物とその生産者に対する感謝と敬意を常に意識させられていた気がします。

丹精込めて食べ物を作られた生産者に対して、「お百姓さんに感謝して、頂きます」といったような言葉とともに食事や給食を始めていたと記憶しています。

それゆえ、家庭においても、給食の時でも、ご飯粒1粒であっても残さず、好き嫌いも一切考慮されず、最後までキレイに食べるように躾けられました。

今なら、「農業従事者という特定の職業の人にだけ感謝する必要はない」、「農業従事者は農産物から収入を得ている」、「好き嫌いは尊重されるべき」などと、もっともらしい平等主義と経済原理をふりかざし、もし学校給食で昔のようなことを子供にさせれば、クレームの嵐になるんでしょうかね。

江戸時代に「国の力」を「米の生産量(石)」で表したほど、米を大事にしていたのに、最近では米の糖質がどうのこうのといって「米離れ」を誘導、推奨する勢力がありますね。日本の最重要農作物である米をないがしろにする気持ちが農作物全体に対する気持ちに影響を与えている気もします。

また身近に苦労して農産物を育てられている姿を見ることなく育った人も多くなりました。

僕はこのような農産物に対する考え方、状況の変化が昨今の農産物の窃盗の根底にあるのではないかと思います。

もちろん、単に組織された窃盗団等の可能性もあるんでしょうが、食べ物に対する考え方の変化も見逃せないと思いました。