うまげな話

オーディオと魚料理、さぬきうどんが好きな天邪鬼オヤジの日々

四国新幹線はやはり不要

そもそも新幹線はだれのために必要なのか?

地方の活性化といいながら、本当に新幹線によって地方は元気になっているのか?

四国新幹線を待望する「四国新幹線促進期成会」という組織がある。

地元経済界、政界がメンバーである。

彼らは実は「観光」による収入による経済の活性化という利点のみを考え、新幹線ができた時のマイナス面を考えていない。

www.shikoku-shinkansen.jp

以前にも書いたが、四国の中でもとりわけ香川、徳島には新幹線は不要であるばかりか、住民にとってはマイナスが多い

1年の経済効果(おそらく楽観的に見積もっている)が169億円で事業費が1.57兆円だそうだ。100年たてば、経済効果の総額が事業費総額に追いつくという計算ですが、おそろしくラフな計算ですね。普通の企業なら倒産してますね。税金投入なんでしょうが、どうも見通しが甘い気がします。

 

さて、現在本州と四国を結ぶ橋で新幹線を建設できるように建設されているのは「瀬戸大橋」のみです。

おそらく構想では、岡山から瀬戸大橋経由で香川県宇多津まで進み、宇多津周辺で3方向に分岐させるつもりのようだ。

 

現在、岡山~高松は快速マリンライナーで所要時間55分程度である。新幹線ができても宇多津経由のため、遠回りになり、さらに宇多津で列車を分岐させるため、所要時間は40分くらいではないだろうか?マリンライナーは快速なので、普通運賃のみで料金は1500円台だと記憶している。30分に1本の頻度で運転され、香川~岡山間の通勤、通学にも利用されている。もし新幹線ができると安く利用できるマリンライナーは廃止されるか、大幅に減便される。

これでは生活の足として使えなくなる。岡山と香川の交流、結びつきが弱まり、地域としての活性化など望めない。

 

さらに岡山から徳島まで移動する人がどれほどいるだろうか?現在岡山~徳島の直通特急はわずか1日に2往復である。それも2~3両編成で、混雑もしない。

徳島の人は大阪まで、高速バスが早く、安い。新幹線ができても距離が長く、運賃もバカ高くなるので乗ることもない。

では高松~徳島間はどうか?車社会の四国において、高松~徳島間は車で移動する距離である。車で通勤している人もいる。高速道路を使えば1時間~1時間半で移動できる距離である。

現在高松~徳島間には「特急うずしお」が1時間に1本程度運転されている。ほとんどが2両編成である。利用者が多いのでは?と思われるかもしれないが、この特急はやたら停車駅が多い。「有料快速」と言われるほどよく停車する。これは高速道路から離れた海沿いの町での停車を増やし、利用者を増やしたいのが理由だと思う。

JR四国はカーブと山間部が多いため、高速化を図るため2700系振り子式ディーゼル特急を開発し、努力している。

もし新幹線ができたら、高松~徳島の間にできる駅は1つか、2つであろう。そして在来線は第3セクター化し、特急もなくなる。海外沿いの町はクルマ以外移動手段がなくなり、ますます不便で暮らしにくくなる。

新幹線によって、まさに地方、弱者が切り捨てられることになる。

 

考えると、人口100万以上の都市がない地域に新幹線ができると、JRの在来線はいっきに廃れていく。つまり地域の大切な公共輸送手段が崩壊する。観光客や都会からのビジネス客による収入に期待できる人たちのために、地方がますます住みにくい、不便な場所になって衰退していく。

 

松山は四国で一番人口も多く、大阪からも離れているので、新幹線も多少価値があるかもしれない。また松山までの沿線人口も他の路線と比べると多い。

高知も大阪から離れているが、沿線人口が少なすぎるので、採算が合わない気がする。

なお、東京へは飛行機利用の人が多いのではないだろうか。

要するに、個人的には四国新幹線には否定的です。在来線の整備、高速化を希望しています。