僕は有名な桜の名所にはさして興味がない。
身近な生活の場で、毎年開花して、心を和ませてくれる
桜が好きです。
例えば、明舞団地の松ヶ丘あたりの桜並木が好きです。
団地の中の生活道路ですから、普段から人通りはさほど多くはありません。
建設から50年ほど経った古い団地の桜ゆえ、残念ながら、年々桜の花が減ってきている気がします。
桜の下を老夫婦がゆったりと桜を見上げながら歩いている様子を遠巻きに眺めていると、まるで小津安二郎の映画を観ているような気分になります。
今年の松ヶ丘の桜は昨今のコロナウイルス禍のためか、例年以上に僕を感傷的な気分にしました。しかし、同時に50年という長い年月をかけて醸成されたこの街の空気感がコロナウイルス禍の存在を忘れさせてくれることにも気付きました。
感謝。