うまげな話

オーディオと魚料理、さぬきうどんが好きな天邪鬼オヤジの日々

しらすブームを憂う

昨今はしらすが人気である。

テレビ番組もこぞって、芸能人を使って、

しらすを取り上げる。

生しらす丼」、「釜揚げしらす丼」などが

特に人気のようだ。

その影響か、最近は明石海峡あたりのしらす漁が増えている気がする。

淡路島内でも「しらす丼」をアピールする店が増えている。

これはまずい。

イカナゴの教訓を忘れてはいけない。

春の「イカナゴの新子」は佃煮、釜揚げにして食べると美味である。

しらすとの共通点は骨を取る必要もなく、普段あまり魚を食べていない人も

気楽に食べられる。しかも美味く、低価格である。

イカナゴは以前は1キロ500円程度だったのが、

現在は2000円を超える。

普段、魚に見向きもしない人達がイカナゴしらすを求める。

漁師は需要があって、儲かるから積極的に漁獲量を増やす。

そして資源が枯渇していく。

それだけではない。

しらすイカナゴを食べて成長する魚は餌を失い、

その数が減っていく。

最近の明石をはじめ、瀬戸内海の不漁ぶりがそれを物語っている。

何事にも節度が必要だ。

流行のように特定の食材だけを重宝する今日の傾向は

マスコミによって醸造されている。

クジラやイルカばかり保護すると、クジラやイルカの餌である小型魚が激減する。

人間の特定の好みと考えで、資源のバランスを破壊してはいけない。

本当に資源を大事にするというのはどういうことか、

改めて考えてほしい。